モバイルアプリを活用して、作業時間を大幅に短縮したザールランド州警察
プロジェクトの背景
ドイツ・ザールランド州の警察の管内では、毎年約3万件の交通事故が発生しています。これは、毎日81件の事故が発生していることになるため、市内20か所の警察署に勤務する警察官にとって書類作成が大きな負担となっています。
今まで警察官は、事故現場で紙に記入したり写真を撮影したりして、すべての関連データを収集しなければなりませんでした。そして警察署に戻ってからは、集めたデータを警察の事件管理システムPOLADISに再度手入力する必要がありました。この非効率的なプロセスは時間がかかり、作業が重複する上に、タイプミスなど人的エラーのチェックという余計な仕事を増やすことにつながっていました。
そこで、このコストがかかるプロセスの最新化を目標として、警察官がタブレット端末とスマートフォン用の新しいモバイルアプリを活用することで、レポートプロセスを合理化する新しいプロジェクトに着手しました。それと同時に、ザールランド州警察、ザールランド州内務省、アバナード ドイツ、マイクロソフト ドイツ、HPが連携し、グループとして警察官の生産性改善に取り組みました。
ソリューション
タブレット端末とスマートフォン用のモバイルアプリであるマイクロソフトの警察用HybridFormsに、特別にデザインした交通および事故管理用フォームを組み込んで活用しています。ザールランド州警察の警察官は、事故現場でHP Elite x3などのWindowsスマートフォンやWindowsタブレットを使用してこのアプリにアクセスします。このアプリには、最新型の直感的なインターフェイスが装備されており、タッチ、キーボード、スマートペンで入力できます。
このモバイルアプリでHybridFormsに入力されたデータは、中央バックエンド管理システムPOLADISに自動的に転送されます。アバナードが提供したソリューションにより、警察官は警察署に戻ってから情報を再度手入力する必要がなくなりました。
成果
この新たなモバイルアプリは、業務プロセスと管理プロセスの両方で大幅な改善を実現しました。ドイツ人工知能研究センター(DFKI)による分析の結果、このアプリにより警察官の作業時間が「2桁」も短縮され、人的エラーの発生も減少したと結論づけました。
とりわけ、このプロジェクトで得られた最も重要なメリットは、警察官がパトロールなどザールランド州民を守る本来の業務にかける時間が増えたことでしょう。
この記事およびそれに付随するビデオで言及されているプロジェクトの状況は、現在の実際の状況やPoCではなく、当時のパイロットプロジェクトの状況を反映したものです。
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